漢字の練習が始まったけど、何か気を付けることはあるかしら。
基本はひらがな練習と同じように見てあげたらいいですよ。
ただ、漢字はひらがなやカタカナと異なるので注意する点があります。
1年生が漢字に出会うと、漢字特有の難しさにひっかかることがあります。
・一音一文字ではなく意味をもつ一文字の理解
・文字のバランスや運筆の難しさ
・気づきにくい間違え
そして、何といっても膨大な量です。
この膨大な量をこなして覚えていくためには、早く筆順に慣れることです。
筆順は自然な運筆になっています。これを身に付けることが絶対に必要になります。
漢字を絵や図形のように形で覚えていては覚えることはできません。
お子さんが正し筆順かをできるだけ簡単に確認する方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
漢字特有の難しさ
ひらがなを1学期間かけて学習していましたが、カタカナはあっという間に授業が終わります。
そして、漢字の学習に入ります。
カタカナがあやふやなまま、漢字という新しいジャンルの文字を習います。
ひらがな・カタカナと漢字は明らかに違います。
「漢字一文字に意味がある」
これを理解するまでに時間がかかります。
また、バランスがとりにくかったり、間違えに気づきにくかったり、慣れるまでは一文字書くのも大変です。
意味をもつ漢字
ひらがなは一音一字です。
「あ」は「あ」という発音です。
そこに意味はありません。
カタカナもそうですね。
しかし、漢字は一文字に意味が含まれています。
「き」でも「木」「気」があり、それぞれに意味があります。
意味に合わせて使い分けないといけません。
「一」には、「1」という意味があります。
だから、
「一こ」→いっこ
「一つ」→ひとつ
「一まい」→いちまい
というように、発する言葉が変わってきます。
その理解が難しいため、
「一っこ」「一とつ」
というように、書いてしまうのです。
「げん木」「~しまし田。」など書いてしまうのも、意味があることをしっかりと理解できていないためです。ひらがなと混同されています。
また、意味が含まれる漢字ならではなのが「送り仮名」です。
送り仮名は、初めは読み方の種類が少なく、何となくで覚えられる漢字ばかりですが(大きい・小さいなど)、次第にたくさんの読み方&送り仮名がある漢字が登場してきます。
このあたりから、漢字のできに差が出てきます。
文字のバランス
カタカナは直線が多く書きやすいため、バランスもとりやすいです。
一方、ひらがなは曲線が多いため、バランスをとるのが難しいです。
漢字は、さらにバランスをとるのが難しくなります。
下記の理由が主な理由です。
①画数が多い
ひらがなよりも画数が多くなるため、バランスが悪くなることがあります。
見様見真似で必死に一画一画書き、書き終えて見てみるとバランスが崩れていたということがおこります。
「青」「学」
これらは、上の部分が大きくなってしまいやすいです。
「校」
左「木」と右上「六」と右下「メ」のそれぞれが単体で書かれて、ばらばらのまとまりのない字になりやすいです。
画数が多い文字は、マスにある十字線を意識することでバランスがよくなることが多いです。
「青」の上の部分は十字線の上におさまるように書くという具合です。
また、「校」は「木」「六」「メ」のようにかたまりで見て、そのかたまりがどのよに配置されているのかに注目できるようになるとよいです。また、かたまりで見られるようになれば覚えやすさも上がります。
②画数が少ない
画数が少ない方がバランスをとるのが難しいことが案外あります。
・等間隔でないのが目立つ
例えば、「三」は画数が少ない上に直線なので簡単そうに見えますが1年生が書くとバランスが悪くなりやすいです。
等間隔にするのが難しいからです。
ひらがなで等間隔を意識することはなかったです。
2画目をマスの横線にすればよいように思いますが、2画目・3画目のことを考えずに1画目を書き始めるのでバランスが悪くなります。
「正」の字は画数が増えますが、1画1画のスタートほとんどがマスにある十字線をガイドにして書けるので書きやすいのです。
・微妙な長さの違いが目立つ
「三」では、下が長く、真ん中が上よりも微妙に短くなります。
間隔と同様、1画目を書くときから、2画目3画目を考えて長さを決めなければならないですが、慣れていないのでそこまで考えがまわらないです。
お手本を見ながら、マスに対してどれくらいの長さになっているのかを見ながら書けるかどうかにかかってきます。
・右肩上がりの直線が目立つ
画数が少なくなると直線が長くなるため、斜めになりやすいです。
画数が少ないとその斜め線が目立つということです。
横の直線を書くのは難しいのですね。
③カーブやはね、右はらいなどの運筆
「月」1画目の左カーブ、2画目にはね
「九」1画目の左カーブ、2画目にカーブからのはね
「先」1画目・5画目の左はらい、6画目にカーブからのはね
一つに集中し、一つに集中し・・書けたと思ったら、なんか形が・・・となりやすい字です。
カーブは十字線を見てもわかりにくく、慎重に書かないとバランスが悪くなるので、教えるのが難しいです。
「大」「木」右ばらい
初期に出てくる字ですが、右ばらいが「とめ」になったり、はらおうとしたら「はね」になってしまったりします。
右ならいの力をぬく感覚が、毛筆ではないので、鉛筆ではわかりにくいので仕方ないところでもあります。
直りにくい間違え
誤りを教えても間違い続けてしまうことがあります。
初期の頃によく見られるのが、つける場所が違うということです。
「木」3画目4画目を2画目の下の方から書き始めてしまう
「大」3画目を2画目の下の方から書き始めてしまう
これは、見間違え、忘れてしまっているというよりも、理解度の問題のようにも思えます。
ですので、理解できる時期がきたら直るのかなと思いながら根気強く言い続けています。
1画1画を注意深く見る習慣を付けていきます。
間違いは指摘されないと自分で気づくことが難しく、誤ったまま何度も練習してしまう可能性が出てきます。
漢字を覚えるために書き順は必須
書き順は、漢字を覚えるために一番重要でありながら、先生やお家の方がお子さんの誤りに気づきにくいということが難点です。
1年生の内に書き順を意識させ、自然な流れの書き順に早く慣れることが、今後の漢字学習に影響を与えることでしょう。
覚えるために書き順は必須
小学校6年間で1000字以上を学習します。
1年生では80字です。
この量を覚えるために、1年生から書き順を正すことを癖付けておくことが重要です。
漢字の書き順には規則性があります。
①上から下
②左から右
③外から中
④突き出ているものは最後
などです。
何度も練習して手にこの自然な流れを覚えさせていきます。
書き順を無視して書いていると、この流れが身に付きません。
文字を図形として見て、それを一つ一つ覚えようとしているお子さんがおられます。
それでは、大量にある漢字を覚えることは難しいです。
間違いに気づかない書き順
誤字や送り仮名の間違え、覚えているかどうかは、練習プリントやノート、テストなど、書いたあとを見ればわかります。
しかし、書き順は、書き終わった後に正しいかどうかを見ることはできません。
授業では、一斉に書き順を確認します。
基本的には先生が一人に付き添って練習するわけではありません。
一人ひとりの漢字を見るのは、書き終わったあとか、書いている最中の一部となります。
ですので、書き順の誤りに先生が気づくのは、
・誤字がだけでなく、形にいびつさが見られたり、二画で書くところを一画で書いているなど、形が違う場合
・たまたま書いているところを見て
ぐらいになります。
ですので、形が整っていると、誤りに気づけないということが大いにあるのです。
書き順の習得は、授業で漢字練習中に、お子さんがどれくらい取り組めているかにもよります。
一斉に練習する時、意識して声を出しながら書き順を確認しているお子さんと、上の空のお子さんがおられます。
また、丁寧にお手本を見て書くということをせずに、「とにか書く」ということに集中してしまうと、書き順まで意識がいかなくなります。
授業で書き順を意識して書かせるには、個人の力に寄るものが大きく、そこまでやらせきるのはなかなか至難の業なのです。
家での書き順練習
学校で書き順まで直すことはなかなか難しいですので、お家でフォローしてあげるのがよいです。
とは言っても、ずっと書き順を見ているわけにはいきません。
時間をかけずにできる方法をご紹介します。
・宿題を利用する
毎日のことなので習慣化されると見逃しが減ります。
・ゲームで隙間時間を利用する
お手軽にお子さんも楽しみながら取り組めます。
いろいろ試してしっくりくるものや続けやすいものを見つけていただけたらと思います。
宿題の一部を確認する
1年生では、宿題ができているかを見てくださるお家の方が多いです。
漢字練習においては、誤字がないか、丁寧に書けているかなどのチェックをしてくださっています。
しかし、ずっと付き添って見ておられる方は少ないかと思います。
1学期初期、慣れるまでは一緒にしておられる方も多いようですが、2学期になれば、出来上がりを見るということがほとんどでしょう。
ですが、それでは書き順の誤りには気づけません。
とは言っても、忙しい中、ずっと付きっきりで見ることは難しいですよね。
そこで、一部だけは書いているところを見て、書き順が正しいかを確認します。
例)
◆漢字ノート①から⑤までの練習の最初だけを一緒にする
・①を1列書き終えてから②に進むのではなく、①から⑤までを一度書くところを見て、残りの下の部分を見る
・最初に間違えに気づけるので、身に付くまで数回一緒に練習する
◆漢字ノート①から⑤までの練習の最後だけ一緒にする
・列の最後だけを残して練習を進めてもらっておく
・練習後に誤りに気付けるが、放課後クラブなどで宿題をする場合にも対応できる
書き順ゲームで確認する
ゲーム性があると、少しの時間でお子さんも喜んで練習できます。
例)
◆その日の漢字の宿題の中から出題し、お子さんが答えをお家の方の背中(手のひら)に書く
・逆バージョンで、お子さんがお家の方に出題し、お家の方が答えをお子さんの背中(手のひら)に書く(たまに間違えてみる)
◇漢字アプリを使用する
・書き順を判定してくれるものを選ぶ
まとめ
漢字練習では、ひらがな・カタカナと異なりひっかるところが多いです。
卒業するまで大量の時間を使って、大量の漢字を覚えていきます。
1年生の間に一文字一文字意識して練習して、早く漢字に慣れるようにしておくことが、後々楽になります。
その中で、学校でなかなか見てあげられない「書き順」に関しては、特にお家の方が気を付けてあげた方がよいでしょう。
一度にたくさんの時間を費やすのではなく、短時間で継続的に確認してあげる方が効果的です。
お家の方が継続的に見ていくことが大変な場合、学習系習い事も検討に入れるとよいでしょう。
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