「宿題がいや!」と机に向かわない子どもに、ついイライラしてしまう…そんな経験はありませんか?
でも、怒っても余計にやる気をなくすばかり。宿題は、子どもにとって「わかる」「できる」を実感できる大切な時間です。
この記事では、1年生担任の視点から、子どもの気持ちに寄り添いながら宿題と向き合う方法をお伝えします。
最初のステップ:「どうして嫌なの?」寄り添う気持ちから
子どもが宿題を嫌がる理由はさまざまです。
・時間がかかる
・難しくてわからない
・漢字を何度も書くのが苦痛
・すらすら読めない
・遊びたい
まずは「どうして嫌なのか?」を静かに聞いてみましょう。
まだ1年生ですので、気持ちや現状がうまく言葉にできないかもしれませんし、理由が明確になっていないことも多いです。
理由を言えなくても、言及せずに受けとめる姿勢を見せたらよいです。
「わがまま」と思わずに、「困りごと」として受け止めることが大切です。子どもが抱える小さな不安や悩みを共感しようとすることで、解決の手がかりが見つかります。
環境づくりのポイント:集中できる学習環境に整えて宿題がやりやすくなる!
宿題をする場所が散らかっていたり、騒がしかったりすると、子どもも集中できません。静かな場所を選び、気に入っている文房具を使って、子どもが前向きに取り組める環境を整えましょう。
静かであっても、部屋で一人でするのは難しい年齢です。そばに誰かの存在を感じながらの方が集中しますし、やる気も出ます。
毎日、同じ空間をつくってあげるように心がけましょう。
・場所
・時間
・お家の方がそばにいる、○○をしている
取り組み方の工夫:タイマー・タイムスケジュールで宿題の「見通し」をつくろう
「あと〇分だけ頑張ろう!」「〇分までには終わらせよう」という声かけで、子どもは時間の見通しを持つことができ、取り組みやすくなります。
タイマーを使って、時間を区切って宿題に取り組むのも効果的。短時間でも集中してやることで、達成感を感じやすくなります。
終わったらシールを貼るなど、小さなご褒美を用意するのもやる気を引き出す方法です。
お家の方のお仕事と競争でもよいですね。
見通しを立てるために、1日のスケジュールをボードにして見えるようにして、ルーティーン化するのもよいです。
終わったらボードに貼ってあるカードをひっくり返すなど、可視化させてゲーム感覚を持たせていきます。
学校
おやつ
宿題
かばんの用意
遊びに行く
夕食
お風呂
自由
8時30分 お布団に入る
習慣化されるまでは声掛けや一緒に付き添うなどの根気は必要ですね。
誰かと取り組む宿題時間:一緒に過ごすことで子どものやる気UP!
宿題の時間が「孤独な戦い」になっていませんか?
大人も一緒に何かに取り組むことで、子どもも落ち着いて宿題に取り組むことができます。読書や別の作業をしながら、子どもの様子を見守るだけでも、自然と集中できる環境が作れます。
毎日は難しいかもしれませんが、親子で一緒に過ごす時間を大切にしましょう。
お友達と宿題をするのは効果的です。友達と一緒に宿題をすれば、それも遊びの中の一つとなります。
お互い教え合いっこを始めたりもするでしょう。友達に追いつこうと、だらだらとせずに早く終わらせることもあります。
お互いおしゃべりに夢中になり過ぎないよう、終わったらおやつなど用意してあげるとテンションも上がりますね。
「わかる・できる」を実感:子どもと一緒に学ぶ時間が自信を育む
・1問目は答えを教える
・具体物を操作する(あめやラムネなど好きなもの)
・最初の1文字だけ書く
・文字を薄く下に書く
「横についてあげる」ことで、子どもは自信を持ちやすくなります。何よりも安心して取り組めます。
子どもが「わかる」「できる」を実感できる瞬間は、学びの原動力になります。少し手を貸すことで、やる気を引き出すことができるかもしれません。
初めから宿題が嫌だったわけではなく、だんだんとやる気がそがれていっていることが多いです。
頑張ってやってきたけど、わかならい、時間がかかる、難しいという思いが積もっていることがあります。
継続して横に付いて見ていると、お子さんが何に困っているのか、どういう時につまづいているのかに気づいてきます。
先生に相談する時にも、具体的な話ができ解決策をいろいろと考えやすくなります。
家庭教師や塾の活用:宿題が難しい時の効果的サポートも視野に
家庭でのサポートが難しい場合は、外部の力を借りるのもひとつの手です。
親子だとお互い感情的になりやすいこともあります。余計に学習が嫌いになってしまうこともあります。
家庭教師や個別対応の塾など、子どもに合った学習方法を提供してくれるプロのサポートを利用することで、無理なく学習を進めることができます。
宿題が難しいと感じたときは、無理せず外部の力を活用しましょう。下記をご参考ください。
先生への相談:宿題の困りごとはこう伝えよう!
「宿題を減らしてほしい」と直接お願いするのではなく、「家庭ではこういう状況で…」と具体的に伝えます。
・字を消したり書いたりして1時間かかっている。
・何度も同じことをなぜ書かないといけないのかとイライラして物を投げる
・毎日同じことを言っているが定着しない。
現状を伝え、家庭でできるサポートの仕方を尋ねてみましょう。
学校の様子を伝えてくれたり、解決策を考えたりしてくれます。先生側も配慮しやすくなり、より効果的な提案を受けられるかもしれません。
・量を減らす
・ノートのマスを大きくする
・文字の乱れを大目に見る
放課後に指導の提案をもらえることもあります。
しかし、学校や先生によって放課後に使える時間が異なりますし、放課後指導が当たり前と思わないようにしなければなりません。
あくまでもご厚意ですし、放課後指導をしないからといって冷たいわけでもありません。
個別指導が必要であれば、それはまた違った相談内容になってきます。
家庭でできることを前提に、先生と協力して問題を解決できるように努めましょう。
先生に相談する時に、どのように伝えるか迷われるかもしれません。下記の記事で伝え方を解説しております。よろしければご覧ください。
まとめ:「できた!」を積み重ねる関わりを
宿題が子どもにとって「わかる」「できる」を実感できる時間になればいいですね。学習習慣を身に付ける時間でもあり、時間を管理する力も付くことでしょう。
少しずつできることを増やしていく過程が大切です。
すべてを完璧にしようとせず、子どもの小さな頑張りを一緒に喜びながら進めていきましょう。その積み重ねが、自信ややる気につながります。
どれがぴったりとくるかは、お子さんによって異なります。保護者の方の根気強さが試されるところでもあります。気長に付き合っていきましょう。
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