【事例から】トラブルにまつわる3選-対応の仕方から子どもの様子まで

ちょこっと疑問

学校では毎日様々なトラブルが起こります。子どもたちはトラブルにより成長しているのです。少しでも、学校での様子、1年生の様子を知っていただき、トラブルに対してど~んと構えていただけるようになったらと思います。

内容を随時追加していきますので、定期的にのぞいてみてください。

子どもの話は点

学年が低ければ低いほど、「○○さんが、~してきた。」と訴えに来る子が多いです。そして、この訴え、相手側に聞いて覆されることが多々あります。

訴えがあれば、相手の話を聞きます。そして、何でやったかを尋ねると「□□さんがやってきたから。」とのこと。確認をとると、「うん。」

え!?ならばなぜ訴えにきた???自分が悪いことをしましたと言いに来てるもんやで

と、何度思ったことか。ところが、これ、結構あるのです。そして、時々、お家でこの謎訴えをする場合があるのです。されたことを心配されてお家の方から連絡が入り、翌日確認すると、あっさりと、その子の方からしていたことが判明。

経緯を考えたり、相手の気持ちを考えたりすることが難しく、自分がされて嫌だった思いだけでの訴えですね。両者に聞いてみないとわからないものです。

発達段階であり、大人の常識とすることをいとも簡単に覆す、まだまだ幼い子どもたち。おもしろいものです。

どんより空気に現れるひょっこりさん

廊下で、他クラスの子とのトラブルなどを話し合っていることがあります。

・空き教室に行く時間がない

・空き教室がない

・クラスの様子を見ておきたい

など、様々な理由がありますが、廊下で話せる内容であることは間違いありません。

とは言っても、話し合っているしびあな空気が漂う中、必ず、通りがかりの子がひょっこり顔を覗かせます。その輪に入ってくるのです。

真剣な顔で、担任と隣のクラスの先生が立っていて、しょんぼりしている子たちがいる中にです。まさに、低学年ならではの光景です。

「今大事な話をしているからね」

「向こうに行っててね」

とはじめは優しく伝えますが、次々と現れるひょっこりさんに、

先生「あなたは関係ありますか?」

子ども「ううん」 なんじゃそりゃ

先生「何か知っていますか」 

子ども「うん?」 そりゃそうだ

先生「向こうに行きなさい」

と淡々と対処していきます。

ひょっこりさんにも、いろいろなタイプがあります。

・すぐに気づくタイプ

・いつまでもしつこく輪に入るタイプ

・後ろ髪をひかれるくらいの勢いで振り向きながら、背中をおされてようやくどくタイプ

・戻ってくるタイプ

表情もおもしろいものです。

・気になっている顔

・関係者のような顔

・にこにこ顔

・見守り隊

いずれにせよ何もわかっていない顔です。何も知らないのですから当然です。

話が進まないので、こちらも真顔で対応していますが、よくよく考えると笑える光景です。

どう考えても近づいてはいけないと察する雰囲気が漂っているにも関わらず、自らとびこむ1年生。

そう考えると1年生は何にでも興味があり、何でも知りたいという欲があるということですね。

そして、自分が中心であるということです。いい意味で空気を感じない

まさに今しかない光景に出くわしています。中学年になると、この光景はだいぶなくなります。

指導中でも、余裕をもってそんな光景を楽しみたいですね。どんなひょっこりさんが現れるのか。

事情聴取~私はいつから警察官?~

トラブルがあると、教師ではなく警察官に変わります。

目撃者情報

目撃者の情報は結構有力です。

・大枠の内容をつかむ時

・話がかみ合わない時/話が合っているか確認したい時

・何を言っているか当事者ではわからない時

大体の内容がわからない時には目撃者を探すところからはじまります。そして、大筋が見えたら当事者(同士)で個別に話を進めていくことがあります。

そして、話し合いの過程で話が食い違った時には、情報提供を求めます。

現場検証

状況が話を聞いているだけではわかりにくい件では、その現場へ当事者(たち)と共に向かいます。そして、再現してもらいます。立ち位置や動きを確認します。

暴力が絡んでくると「どれくらいか先生にしてみて、大丈夫だから」と、やってもらおうとしますが、やはり子どもは躊躇します。ですので「これくらい?」と空振りしながら、強さ加減を再現していきます。2人の教師がいると、2人でやりあって見せることもあります。

石など現物があれば探します。見つからなければ、他のもので大体の大きさなどを把握します。

事情聴取

これが山場となります。

相手がいることでは、一言一句確認していきます。お互い、話している内容に納得しているか、矛盾はないかです。

Aさん「たたいてきた。」

先生「たたいたの?」

Bさん「ううん。」

Aさん「たたいたしー!」

これは日常茶飯事です。そこで、

「あたったとかない?」「ぶつかったりはしてない?」「それに似たようなこととかない?」「あたったかもしれないとかない?」など、言い方をあれこれ変えなあら尋ねていきます。するとどこかで「うん」「それはあるかも」など言い始めます。

それを皮切りに、矛盾点を聞いていくと、ことの変貌が少し見えてきます。そして話を進めていきますが、それでも、話が一致しなければ目撃情報を探すこととなります。

相手がいない場合においても、一部始終を確認していきます。

この事情聴取が終わって、ようやくことの本題、話し合いなどに入ります。低学年では事情聴取が時間のほとんどを占め、今後に向けての話し合いはすんなり終わることがほとんどです。

高学年になりややこしい内容となると、この事情聴取も本格的になります。

・様々な先生が駆り出され、個々に対して1人もしくは2人の先生が同時間で行う

・数人体制のもと、全員よんで行う

・目撃者情報からかためていく

など作戦が練られます。

相手がいる場合のトラブルにおいて、話し合いで必ずやらなければならないこと、それは、過去からの経緯とやってしまった子の気持ちの確認です。

・過去からひも解いて、いつから起こっていることか

・それは誰からはじめたのか

・やってしまった理由

つまり、やってしまった子の言い分を聞いていきます。

相手探し

何かされたけど相手が分からない時には、全クラスへ関係者はいないか、目撃者はいないかを尋ねることがあります。それでも見つからなければ、全クラスへまわって顔を確認して探すこともあります。

警察官にならざるを得ない理由

このようなことを行っていると、まるで警察官になったのかと思ってしまうほどです。話し合いよりも、事実確認に重きを置かれます。もちろん、事実が的確に正しく把握されないと指導できないですし、今後に向けての話に進まないからです。しかし、ここまでするのかというくらいの細かさで事実確認をすることがあります。

なぜ、ここまで行うのか?

→説明責任のため。

誰への?

→お家の方へ

何かされたお子さん、何か起こったお子さんのお家の方は、お子さんの話を聞いてそれと一致しなければ納得しません。

また、けがなどあった時に、学校の設備面など何か落ち度がなかったかなどを確認しておかなければ、「隠していた!」「そんなことも知らなかったのか!」ということになりかねません。

反対に、何かしてしまったお子さんのお家の方は、初めの連絡では「なんてことをしてしまったのか!」と申し訳ない様子でいたものの、途中からそこを気にするのか?というくらいのことを質問してきたり、翌日「自分の子もあの子に前、・・・」「こう言ってますが」など、あとから次々出してきたりすることが多々あります。

そして、目撃者情報収集、事情聴取へと振り出しに戻ります。ここまでくると連日このトラブル解決に向けてほとんどの労力が費やされることがほぼ決定となります。

これを防ぐために、初動が大切です。学校で解決した内容は、お家の方に報告して終了としたいのです。お子さんにとってもそれが健全です。ですので、お家の方にしっかり納得していただけるように、警察官のような現場検証から事情聴取などの、事実確認が重要となってくるのです。

では、なぜ、やってしまったお子さんのお家の方の気持ちが変わるのか。以下の2点が大きな要因でしょう。

・子どもが学校と違うことを言っている/隠しながら言っている

・子どもがやってしまったことを心の底から認められない/大人になれない

子どもに限らず、人は誤りがあるものです。そして、そこから学んでいきます。しかし、それを心の底から受け入れられないと、お子さんを頭ごなしに叱ってしまったり、かばう気持ちが出てきたりします。

そうすると、課題解決に向けてひずみが出てきます。お子さんが包み隠さず言えなくなってしまったり、お家の方が本来の問題とは違うところで言い訳を探そうとしてしまうのです。

・次々と話を変えていくパターン

お家の方:うちの子していないと言っています

先生:□□はしていないと言っています。〇〇と△△はしたと言っています。

お家の方:誰か見ていたのですか?

先生:見ていた方から電話が来たのです。

お家の方:・・・。

・指導体制の責任を問うパターン

お家の方:あの先生が怖くて言えなった

(異なることを言われない対策として二人体制をとる)

お家の方:2人も先生がいて怖くて言えなかった

やったことがだめであることを指導しているにも関わらず、「○○が原因だと言っています。」と、正当化できる理由を探そうとしてしまうのですね。

お子さんのことを信じ、大事に思い、お家の方も言いたいことがあるのだと思います。しかし、大人の立場としてでなく、感情に流され子どもと同じ土俵に立ってしまうことがあるのです。一歩踏みとどまり「やったことはいけないことだ」としっかり示してやることがお子さんの成長にとっては何より大切であることを理解していたとしても、感情面で負けているのです

学校で話し合って終わっているのです。ですので、やってしまったお子さんに対しても、何度も言いたいことはないかと確認をとるのです。再度事情聴取することが本当にお子さんのためになるのか、そしてそれをお子さんは望んでいるのかです。連日休み時間、もしくは、授業の一部が削られるわけです。今一度、考えてあげてほしいです。

中学年まではお家の方が立ち入りながらも、なんとか大きくならないように学校がおさえてきたトラブルも、高学年の思春期になると変わってきます。話はだいぶややこしくなることがあります。原因を他に見つけてかばってもらいながら大きくなってきたなら、トラブルがあった時に解決に至りにくくなるでしょう。低学年からのトラブル時の立ち振る舞いが影響していきます。

誤りが悪いわけではないです。これからどう成長していくのか、長い目で見て本当に大切なことを見失わないように気を付けてあげてくださいね。

教師はやったことを裁きたいわけではなく、子どもと共に今後よりよくなるように考えていきたいのです。先生は取り締まり係でないです。敵ではないですので、共にお子さんの今後を考えていきましょう。

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