
夏休みの旅行で、子どもが先生に土産渡したい!と言ったけど、先生も困ってしまうわよねえ…?

受け取るか受け取らないかは先生によります。でも、そのお気持ちは嬉しいですよ。
公務員と言う立場上、品物を受け取るのはだめです。
でも、せっかく用意してもらった気持ちを考えて、ちょっとした品物であれば実際は受け取る先生も多いのではないでしょうか。
お土産だけでなく、今後、先生にお礼として、ちょっとした物を渡したいという場面が出てくるかもしれません。様々な場面を紹介していますのでご参考ください。

教員歴20年以上の小学校教諭が、どのような品や場面だと受け取りやすいか、事例を挙げて解説していきます。
渡さなければならない、渡したほうが有利というわけでは決してありません。
品物を渡されることがまれです。特に最近は滅多にありませんので、気を遣わないでくださいね。
最近は受け取りにくい風潮

公務員は金品を受け取ってはいけませんでしたが、昔はその辺は甘かったです。
先生の采配も大きかったです。
最近は、様々なことが厳しくなってきたので、受け取らない先生が多いのではないでしょうか。
実際、公言していないだけで、どれくらいの割合で受け取っているのかはわかりません。隠しているわけではなく、頂戴してもわざわざ言わないということです。
しかし、社会の流れから、今は学校が組織化され、管理されている方向にあり、受け取らない先生が増えているのではないかと予想します。
- 学校で受けとってはいけないと提示されているから
- 若い先生など学年の先生や管理職に相談してだめと言われたから
- 問題になってしまっては困るから
世間の目が厳しく、言われたことから逸脱しないように、規則はきっちりと守るということが、良くも悪くも実行されることが多くなってきました。
特に経験が少ない若い先生は、プレゼントをもらったら先輩先生や管理職に尋ねるでしょう。相談された方は、断るように助言することが大半ではないでしょうか。
さらにきっちしている管理職は、「お土産やプレゼントを受け取らないように」と全職員にアナウンスし、共有します。
今まで受け取っていた先生も、管理職が発した時点で受けとることはできなくなります。
しかし、実際に受け取って大問題になったことも、なった先生を見かけたことがないのが現状です。
お土産やプレゼントを受け取る例

規則として受け取ったらいけないのは前提に、わざわざ自分のために考えて用意してくださっているので、お返しするのもなんだかな…という思いがあります。
何であってもだめだということは承知の上で、正直これはいいんじゃないのかということがほとんどです。
個人によりますが、長年経験を積んでくると、自己責任のもとでお気持ちをいただくことがあります。
お子さん・保護者の方の思いが品物に表れていると受け取りやすさが出てきます。

品物をいただくこと自体が稀です。渡さないのが通常です。
くれずれも、渡さないと!とならないでくださいね。
最近は、保護者の方が気を遣ってくださっているのか、いただく機会も少なくなりましたが、今までいただいた例を挙げていきます。
お土産
自分のために用意してくれたとわかるお土産はさすがに断れないですよね。
- ご当地キャラクターを集めていると言ったことがある⇒ご当地キーホルダー
- 好きな国&遺跡Tシャツを紹介したことがある⇒その国の遺跡キーホルダー
- 名前入り
- 袋に詰め合わせてくれたコーヒー&お菓子
質問や雑談、授業の流れなどから、自分のことを話す機会があります。
お子さんが、個人的な話に興味を持って覚えてくれていたんだなと嬉しくなります。

お小遣いの中から買ってくれたのかな~
保護者の方も賛同して見守ってくださったんだな~
お裾分けという感じで受け取りやすくしてくださったお家の方のご配慮。
そっと渡すようにお子さんにお話しもしてくださるご配慮までしてくださっていたら、断る理由が見つからないです。
学年終了時
学年終わりには、お家の方のご協力の元、もしくはお家の方の手作りを頂戴することがあります。
手作りはいいかなという感じがします。先生に合ったもの、色合いなど考えてくれ、時間も費やしてくれています。気持ちがこもっているので断れないですよね。
- 保護者の方の趣味の手作りアクセサリー
- いつも髪を結んでいるので手作りヘアゴム
- 友達同士でつくったお菓子

バレンタインでは、放課後にチョコを渡しに来る子もちらほら。学年が上がると、チョコ渡しルートの中に学校を入れてくれるのですよね。先生方も結構受けっている様子ですよ。
作るのが好きなお子さんが、折り紙やビーズなど身近な材料で作ってくれることは日常的に結構あります。これはさすがに断らないですね。
卒業時や、先生が離任(違う学校に異動)する時には、花束などが多く、みんな受け取っています。
- 花束&メッセージ
- 好きなキャラクターを個人的に聞いてくる⇒そのキャラクターでいつも身に付けているもの
サプライズをしようとしてくれていたのだというのがよく伝わります。
花束は学年で役員さんが話し合って、各クラスいただいたこともあります。
受験後
受験後に職員室を保護者の方とお見えになって、渡される方もたまにおられます。
担任に個別にお礼する方もおられますが、「みなさんで分けてください」ということだろうなというサイズの時もありました。
- 放課後に保護者の方と共に受験合格の挨拶に来る⇒大きな箱に入ったチョコレート
- 学年担任の人数分のお菓子詰め合わせセット
放課後に保護者の方とお子さんが共に受験合格の報告と合わせて持ってこられます。
喜びの気持ちが詰まっていますし、律義な方だという印象です。お祝い事ですので、断りにくいですよね。
関わったことのある先生はもちろん、あまり関わりがなかった先生も、職員室全体が喜びで明るくなった覚えがあります。

受験書類は誤ってはならないので、担任は神経をつかいます。また、受験前の学校欠席にあたり対応も必要になります。
しかし、受験は基本、ご家族と本人のことです。学校へのお気遣いの中に、ご家庭での今までの献身的なサポートを感じます。
引っ越し時
先生だけでなく、お礼をしたいということで、クラス全員に文具セットなどを渡していたお子さんもいました。

さすがに、これはやりすぎだと止めようとしました。でも、すでに用意しており、お子さんも渡すのを楽しみにしていたので止めることができませんでした。
引っ越し時に、クラスの子にお礼する慣習があったようです。慣習があったのは、今までで1校だけです。
忙しい中、手間と時間をかけて、クラス全員に手作りのプレゼントや手紙を渡しているお子さんもいます。折り紙など、自分でできる範囲で作成するのは、ほほえましいですが、クラス全員となると大変です。
子どもたちって、何かしてあげたい!と素直に思うのでしょうね。

もちろん、ほとんどのお子さんがそのようなことをしていません。
忙しい中無理にする必要はありませんよ。
みんなと引っ越しまで楽しく過ごし、向こうでも元気にやってくれるのが何よりです。
引っ越し後にお手紙をいただくことがあります。近況を聞けるのは嬉しいですね。クラスの子たちにも紹介でき、みんなで喜んでいます。
受け取りに迷うのは誕生日プレゼント

子どもたちはよく誕生日を聞いてくれます。身近なもので作ってくれたプレゼントやお手紙は素直に喜んで受け取ります。
しかし、個人的な感覚ですが、購入した誕生日プレゼントは受け取りにくかったです。
渡す動機と品物が一致したら受け取りやすいのですが、誕生日プレゼントはどうしようかとなります。
何が違うのかと思われるかもしれません。
説明しにくいのですが、教師だけ品物で祝ってもらうということに違和感があるのか、ちょっと受け取りにくかったですね。
しかし、子どもにとってはお土産と同じで気持ちがこもっています。

しかも、使う場面をよく考えて、自分にぴったりのものを用意してくれてたら、断れないですよね。
お家の方も知っているということで、学年で相談してありがたく頂戴することにしました。
気持ちを考えるととっても嬉しいですが、わざわざ悪かったなという気持ちもあります。
品物を受け取らない例

クラスの子がプレゼントを渡しているのを見て、突如、文具を買って持って来てプレゼントしてくれたことがありました。
- 受け取る理由が見つからない
- お家の方が知らない
上記のような場合は丁重にお断りします。「もの」でつながることになりかねません。

周りに人がいる中では、喜びのお礼を伝えるために、大きなリアクションをしないよう気をつけてはいます。
子どもは素直で、相手に喜んでもらいたいという気持ちがあふれています。
ものでつながる雰囲気にしてはいけないのですが、断っても引き下がらず、根負けすることもあります。
- 家族の人数を聞いて、「家族にあげてね」と、その人数分シールを持って来る
- 使い古したおまけの赤ぺんを、「これで丸をつけてね」と持って来る
値段の問題ではないですが、これならいいかな…かわいいなと思いながら受け取ります。

もらう時、もらわない時、子どもにとってはわからないですよね。気持ちを無下にしないためにも、一切受け取らない方がよいのかなと悩みます。
まとめ
品物を受け取ること自体が少ないとは言え、振り返ってみれば、断ったことがほとんどないです。
子どもたちと関わっていて、「先生、物もらってるからひいきしている!」「先生に物をあげたら、なんか評価よくなるらしいで」なんて、マイナスにとられたことはありません。
規則違反だと言われるかもしれません。
その上で、何度も言いますが、あげた方がいいということでは決してないことを前提に・・・
渡したい!でも困るかな?と迷っておられる方へ言えるのは、
個人的には、困るというよりも、自分のことを考える時間をもってくれていたのだということが、申し訳なくもあり、ありがたくもあり、嬉しいものです。
お言葉、お手紙など、品物に限りません。
学校や先生によって受け取る・受け取らないは異なりますが、先生だって、お家の方やお子さんのプラスの気持ちを伝えられたら嬉しいものです。
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